今日のお話は、「おもちゃの汽車」。
スケアクロウマンたちが、初めて汽車に乗る、という話です。
駅には、壊れた汽車を修理するおじさんがいました。
ドスの利いた声で、ひげで、荒っぽい感じ。
いやはや、ツボでした。
ああいう、人使いが荒くて、だけど仁義があるっていうか
根は優しい感じの人に、とても惹かれます。
そして、そういう人って、たいていおっさんだったりします。
一番ビクビクしてて、やたらうるさいミスターベストを
なにかとかまって、実は一番かわいがったりするところも、好きです。
それにしても、
スケアクロウマンが汽車に乗って、どこかに行ってみたいっていう気持ち、
すごくよくわかります。
スケアクロウマンにとっての汽車は、私にとっては飛行機です。
小学校を卒業した春休み、初めて飛行機に乗ってアメリカに行きました。
そのとき見たもの、聞いたものは、すべてが新鮮でした。
興奮しまくり、ワクワクしっぱなしでした。
帰ってきてから、空をとぶ飛行機をみるたびに、
「あの飛行機はどこに行くんだろう」って思ってみていました。
見たことないものを見たくて、行ったことのない所に行ってみたくて、
飛行機をみるたびに体中がウズウズしていました。
私は飛行機の修理もできないし、スケアクロウマンとはちょっと違うけど、
それでも、汽車を見つめるスケアクロウマンに
自分の姿を重ねていました。
でも、きっとスケアクロウマンは、
みんなとの暮らしを大事にして、町を出て行くことはないんだろうな。と思います。